ちょっと待った!合併新市名 ③茨城県「つくばみらい市」に代案を提案する!
<合併新市名論評>
③茨城県「つくばみらい市」に代案を提案する!
平成17年3月27日 新市名を考える住民集会 於:伊奈町中央公民館
地名情報資料室・地名110番 楠原 佑介
合併市名はどう選択すべきか
イ)合併町村に大小ある場合は大なる町村名を残せ」明治21年 内務大臣訓令 <大町村名継承原則>
ロ)合併新市町村域により整合する名称を採用すべし <区画・名称の整合性原則>
ハ)今後の行政中心となる小地名を名乗るべし <中心地名称採用原則>
明治期に設定された県名は愛媛県・北海道を除き全部、中心城下町名・郡名・港町名を採用
ニ)過去~現在まで当該地域に存在した地名から選択すべし <歴史的伝統的地名継承原則>
「つくばみらい市」のマイナス点を列挙しておこう
①新規命名の基礎点=0点
②地域の過去~現在の実情を反映していない マイナス50点
③「つくば」も「みらい」もかな表記である点 マイナス50点×2
④「未来」という抽象語の時制用語 抽象語に場所特定機能はない マイナス50点
⑤この1町1村の地が筑波郡になったのは近世初頭の郡域錯誤による マイナス25点
⑥近世「筑波」郡域の全域から見れば数分の1が「つくば」を僭称 マイナス50
[総合評価] -275点
愛知県「セントレア市」が廃案となったので、今回の合併新市町村名では段トツの最悪例になる!
今回の伊奈町+谷和原村の場合、前記イ・ロ・ハは採用できそうにない。そこで「ニ項」を適用する
<歴史的伝統的地名の候補案> 新規命名でないから基準点100点
○「谷原(やはら)」(河野十四生氏案)
[検証]・中世「谷原」は下総国相馬郡域の下流までを中心にした汎称だった点はマイナス -60点
・近世の「谷原3万石」の称は相馬郡域の「谷原」を凌駕した 十30点
・寛永年間(1624~44〕の開拓による「谷原3万石」はこの地の歴史を十二分に語る +30点
・新市域中、東部の台地は「谷原」には該当しない -30点
[総合評価] +70点
○「小貝」(楠原案)
[検証]・河川名などの自然地名はその区域と市町村域が整合しないのは大きな欠点 -80点
・新市域はほとんど左岸だけ、右岸が欠けている分マイナス -50点
・ただし、「川」を除外した語幹だけなら、混同の恐れは少ない +25点
・「小貝」という地名は流域には他に存在しない点もプラス点 +25点
[総合評価] +20点
*20点でも「つくばみらい」よりははるかにマシ
○「河内(こうち)」(楠原案) 古代~近世初頭まで合併2町村が属した郡名
[検証]・近世以降、筑波郡に編入されたため実感に乏しい -50点
・ただし、古代郡名は鬼怒川・小貝川にとり巻かれたこの地を表現したもの +25点
・古代郡域の全体から見れば狭小にすぎる -70点
[総合評価] +5点
○「真幡(まはた)」(楠原案) 古代常陸国河内郡真幡郷はミノハタではなくマハタではないか
[検証]・この郷名は中山信名ほかの『新編常陸国誌』・宮本茶村『常陸誌料郡郷考』以来、ミノハタと読まれ現・谷和原村の箕輪が遺称地とされてきた。吉田東伍『大日本地名辞書』も疑問符付きながらこれに従っていたので、我々(楠原・桜井ほか2名)の『古代地名語源辞典』も追従したが、今回あらためて検証しなおしてみると、やはり疑問。
・「真」の字をミに宛てる例は人名(名のり)には稀にある(「真」は「実」と類義)。
だが地名には見られない。「真」はやはりすなおにマの和訓と解すべきではないか。
・マ(真)は地名用例では「真っ直ぐ」のほか「真南」をも意味する(松尾俊郎説)とい
う。筑波台地が真南に延びた伊奈町南端部こそ真幡郷か。
・ハタ(幡)の字は古代地名では土佐国幡多郡ほか多数使われている。いずれも「端」の
意と思われるが、稀に「畑」もありうるか。いずれにせよ、筑波台地南端部に合致。
[検証]・古代郷名考証として地理的合理性が十分ある +50点
・今のところ楠原の新説で普遍性がない -50点
・新市域と完全には整合しない(西部の低地部分が脱落) -30点
〃 (古代にはほかに大山郷も想定される) -30点
・古代郷名のなかでは用字も良く、発音の音感も申し分なし +20点
[総合評価] +60点
*この「真幡郷」については、楠原は全力を挙げてさらに検証を続行するつもり。
*ここに掲げた以外にも候補名はあるはず。「つくばみらい」を阻止するため心ある住民はみんなで真剣に知恵をめぐらそう。


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